ボルタ・レドンダ対アヴァイ：ブラジルセリエBの戦術的ドロー

野心溢れる2チームの激突

ブラジルセリエB第12節でボルタ・レドンダがアヴァイを迎えたこの試合は、エンターテインメント性の高いゲームが期待されていました。1976年設立のボルタ・レドンダはリオデジャネイロ州を拠点とし、着実にブラジルサッカーの階級を上昇中。’O Vale do Aço（スチールバレー）’と呼ばれる熱狂的なファンが、ホームスタジアムであるエスタジオ・ラウリーノ・デ・オリベイラで圧倒的な雰囲気を作り出しています。

一方、フロリアノーポリスを本拠地とするアヴァイは、カンピオナート・カタリネンセでの複数回優勝やセリエA在籍歴など、より豊かな歴史を持っています。現在はトップリーグ復帰を目指して戦っており、この試合にも特徴的な組織的な守備構造を持ち込みました。

試合分析：勝敗の分かれ目

1-1という最終スコアが物語るように、これは僅差のゲームでした。両チームともチャンスを作り出しましたが、3ポイントを得るために必要な決定力に欠けていました。

戦術的な観点から興味深かったのは、両監督が互いの強みを無効化するためにミッドフィールドを配置した方法です。ボルタ・レドンダのハイプレスは序盤効果的で、32分目の得点につながるアヴァイの珍しいミスを誘発しました。しかし、アヴァイ監督はハーフタイムで重要な調整を行い、フルバックをもっと前線に押し上げて数的優位を作り出すことで、58分目には左サイドからの見事な連係プレーで同点ゴールを決めました。その後は両チームとも1点に満足したかのように試合は膠着状態となりました。

主な教訓と今後の展望

試合後のデータを見ると、いくつかのパターンが見えてきます：

• ボルタ・レドンダのxG（期待得点）1.2に対しアヴァイは1.0
• アヴァイはホームチームより約100本多いパス成功
• 両チームのデュエル成功率はほぼ同じ（52%対48%）

ボルタ・レドンダにとっては昇格争いに加わるためには一貫性を維持することが重要です。次の弱い相手との試合は勢いをつけるチャンスとなるでしょう。

アヴァイはアウェーでの1点獲得にある程度満足しているかもしれませんが、自動昇格を真剣に考えるなら密集守備に対する創造性を見つける必要があります。次節のフィゲイレンセとのダービーはシーズンを左右する重要な試合となるでしょう。

一つ確実なのは、セリエBの昇格争いはまだまだ混戦状態であり、この2チームもその行方に大きな役割を果たすことになるということです。